濃姫、清洲城と岐阜城へ

清 洲 城

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 愛知県清須市にあった清洲城は、1560年に織田信長が桶狭間の戦いに出陣し今川氏に勝利、ここから天下統一への第一歩を踏み出したといわれています。現在の模擬天守のような天守は当時はまだなく、守護の館の構造だったようです。


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 五条川の橋を渡った対岸には清洲公園・清洲古城跡公園があります。


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 公園内には桶狭間の方向を見据えた織田信長の銅像がそびえ、またその横には濃姫の像が信長を見守る位置に立っています。


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 歴史的資料がほとんどない濃姫ですが、ここ清洲城跡は夫婦の絆のはじまりの地としてパワースポットにもなっているようです。


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 天下統一を目指す織田信長、夫の出陣を見送る戦国の姫君でありました。





岐 阜 城 (稲葉山城)

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 岐阜市金華山(稲葉山)山上の模擬天守は標高329mの高さにあり、ロープウェイが便利です。1567年、美濃攻略を果たした信長が入城しました。


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 天守からの眺望は素晴らしく、岐阜市・長良川を見下ろします。


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 元は濃姫の父・道三の城でもあり、姫の足跡は必ずここらにあったのです。


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 近年は金華山西麓にある「山麓城主居館跡」の発掘もすすめられています。巨石石組みや金箔瓦、庭園や茶室もある建造物は橋や廊下によって繋がれた壮大なものであったようです。
 

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 足に自信のある方は登山道で登頂もできます^^ 織田信長は山上の天守と麓の居館の行き来のおかげで健康であったと先日NHKTV「偉人たちの健康診断」で教えていただきました。


濃 姫 (帰 蝶) の戦国姫君着物

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「濃姫」という名は織田信長との婚礼後のことで、NHK大河ドラマでも使われている「帰蝶」という名も並記しました。となれば着物のテーマはやはり『蝶』でしょう、ということで蝶柄の着物地をあれこれ物色しましたが、なかなか難航しました。前記事にもあるように色彩が派手だとか柄が大きいとかは考証的に大丈夫そうですが、蝶柄が人形の着物としてよい位置に入ること、できるだけ古典的な蝶模様を選ぶこと、素材が正絹なのはもちろんですが格の高い着物、金彩が入っているものなどを条件にしていたのでずいぶん時間がかかりました。その中での厳選布が、

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左が小袖、右が打掛です。両布とも着物を解いたはぎれではありますがたいへん状態がよく、小袖は羽根を広げた蝶・打掛は横から見た蝶でバランスもとれました。それでは着付けてまいりましょう。

《小 袖》

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 小袖の布の地色は、利休鼠と桑染(りきゅうねずみ・くわぞめ・日本の伝統色)に近く金彩もあります。白い桜が舞う中、菊と舞蝶が描かれています。
 総裏付きで、裏地は白絹と薄い黄色の八掛地です。

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 戦国時代はこのような足袋ではなく裸足でしたが、おまけに簡単な作りの白化繊の足袋をお付けします。着付ける前に履かせます。
 小袖には正絹の白衿と濃赤の重ね衿が留め付けてあります。小袖の腕を通した後に、白衿に付いている白リボン(化繊)を背中に回して、重ね衿も一緒に前で結びます。

《帯》

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 帯地は水色の地に「織田家紋 織田木瓜」を白く織り込んだ金襴(たぶん化繊)です。織田信長が用いた家紋の中でも最も有名とされる「織田木瓜」の紋が入った金襴地・・見つけるのにたいへんな苦労がありました。現代の市販品には見つからず、ある大きな骨董市でやっと見つけた昭和の金襴です。せっかくの織田家紋ですし、最初はこちらを打掛にする予定でした。が、未使用ではあってもかなり古いため各所に経年ジミが点在していて、70cm幅で2mも購入したのに打掛はおろかシミを遠ざけてやっと帯布が確保できました。
 結び目下のマジックテープで前で留めます。お好みで結びは後ろ側でもかまいません、というのはこの戦国時代・服飾資料的には前結びが多く、帯ももっと細目でした。テレビでは後ろ結びが多く、これといった決まりのない時代だったのではと思います。この制作では家紋の幅を最大限にとり、前に見えるようにしました。


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 小袖は細身に着付け、おはしょりをせず身丈で着ます。帯はウェストより下の腰に締めます。扇を帯に挟みます。
 扇は既製品で、金銀の表裏です。閉じた時の長さは6.3cmです。


《打 掛》

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 打掛の布は薄い黄色の地に舞蝶が型染めされており、金彩もあり光沢のある正絹です。身巾が広く、おくみ・袖の振りはありません。腕を通し袖を前に倒すように着付け、裾を広げます。
 総裏付きで、裏地は白絹と朱赤の襦袢地です。


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戦国姫君着物、蝶柄と織田家紋もどうぞお楽しみください。

日本応援、大河ドラマ応援 久々の戦国着物

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 令和2年ももう5月末、このような年になるとは夢にも思わなかった昨年の秋頃から「濃姫」の制作をするべく取材などをしていました。というのも今年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は待望の戦国時代物、尾張名古屋生まれ育ちのR工房としては「やはり大河は、戦国」という一派なのです。
 ただ濃姫というお方は、美濃の戦国大名 斎藤道三の娘で織田信長の正室であった、という以外には出生死亡時期ともにほとんど残された資料もないということで謎が多い女性です。取材といっても織田信長と濃姫の像がある愛知県清須市の清洲城公園周辺、姫の実家でもあり後に信長の居城ともなった稲葉山城(現岐阜金華山岐阜城)に行ってきただけで、岐阜各所の「麒麟がくる」テーマ館は今年にゆっくり見て回ろうと思ってました。岐阜市歴史博物館内の「麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館」は再開されたようですので、これから盛り上がってほしいです。


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 戦国姫君着物セットは大好きなテーマで、これまでも「お市の方」「浅井三姉妹」「ガラシャ」「淀殿」「千姫」と制作してまいりました。どれも「小袖+打掛」というパターンは共通です。この度も「麒麟がくる(左)」や「にっぽん! 歴史鑑定〜戦国の女たち 信長の正室・濃姫(右)」などじっくり鑑賞していますと、ヒロインの着物がとても派手で美しいのに気がつきます。もちろん身分の高い女性に限られますが、実際にその時代であっても豊かな染色の色彩や織りの技術で現代にあっても遜色のないすばらしい小袖・打掛が作られていたのが驚きです。

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「濃姫」制作にこんなに日が開いてしまったのは1/6サイズの人形で姫のイメージに合うものがなかったからで、この度ぴったりのイメージのSDで完成させることができました。今までの戦国着物もアップしてみましたので、どうぞ一緒にお楽しみください。



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織田信長の妹、お市の方 記事参照



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浅井三姉妹長女、茶々 記事参照



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浅井三姉妹次女、初 記事参照



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浅井三姉妹三女、江 記事参照



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豊臣秀吉の正室、高台院(ねね) 記事参照



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明智光秀の娘、細川ガラシャ 記事参照



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豊臣秀吉の側室、淀殿(茶々) 記事参照



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徳川家康の孫、千姫 記事参照



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豊臣秀吉の子、秀頼 記事参照




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「濃姫」の着物の詳細は次記事につづきます。








R工房おーくしょん 出品147回目 戦国姫君着物セット「 濃姫 (帰蝶) 」

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戦国姫君着物セット「 濃 姫 (帰 蝶) 」

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人形・スタンドはつかず、1,000円からの出品・レターパックプラス送料無料で、終了日は5月31日(日)になります。
オークションページは こちら からご覧いただけます。

令和の初春 三女(幼SD)の振袖

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令和の初春を祝う、幼SDサイズ「三女」の振袖です。三姉妹ともに令和にちなんだ「梅柄」の振袖で、こちらは黒地の着物で、ちょっと大人っぽくお正月をすごしてください。

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振袖着物地は現代の正絹の着物はぎれ地で、黒地にピンク・青・緑の梅が描かれています。
白絹の肩裏とオレンジ色の八掛の総裏付きです。袖部分のみ「うそつき袖」という絹長襦袢の袖を留め付けています。

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肩上げ・腰上げで童女の寸法に合わせました。

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衿にローズ色の絹地の伊達衿と、ピンクの絹縮緬の半衿を留め付けています。
着物の袖を通し、半衿の下の白化繊テープを背中に回して前で結びます。

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作り帯は新品の化繊の金襴地です。濃いピンク色の地に縁起の良い小物が織り込まれた吉兆柄です。結びは文庫の変形です。
帯揚げは朱赤色の紋綸子・帯締めは古い赤絹紐でともに帯にセットしています。

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帯は結びの下でマジックテープで留めて帯揚げを帯に差し入れます。帯締めは前で二回片結びをして両脇に戻し挟みます。
マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。

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足袋はオフホワイトの花柄の白絹地で、後ろのスナップで留めます。
下駄はヒノキ材をピンク色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒はポリエステルの縮緬紐です。

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髪飾りは、金属の櫛にちりめん細工の梅を留め付けました。櫛を髪にさし込みます。
ショールはフェイクファーを切っただけのものです、幼SDには少し大きめですがおまけとしてお付けします。


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羽子板は手作りで、タテ10cm×ヨコ5cmです。正月飾りを木工ボンドで貼り付けてあります。
接着テープを使って手に持たせています。裏は梅模様です。


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これで三人揃いました、どの着物がお好みでしょうか。

令和の初春 次女(MSD)の振袖

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令和の初春を祝う、MSDサイズ「次女」の振袖です。三姉妹ともに令和にちなんだ「梅柄」の振袖で、こちらはレトロなアンティーク着物としてお楽しみいただけます。

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振袖着物地は古い正絹の錦紗で、特有の柔らかい手触りです。彩度の低いピンク地に満開の梅枝が描かれています。
白絹の肩裏と赤絹の八掛の総裏付きです。袖部分のみ「うそつき袖」という絹長襦袢の袖を留め付けています。

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おはしょりを軽く糸で縫い留めています。

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衿に濃赤の縮緬の伊達衿と、赤の鮫小紋の半衿を留め付けています。
着物の袖を通し、半衿の下の白化繊テープを背中に回して前で結びます。

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作り帯は正絹の古帯地で、新品ではありませんが未使用の布地です。ローズ色の地に花模様で、ところどころ金彩があります。振り分け結びで、帯揚げは赤紫の絹地で帯にセットしています。帯締めは化繊紐で、前で結びます。
帯は結びの下でマジックテープで留めます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。

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帯締めは前で二回片結びをして両脇に戻し挟みます。

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足袋はオフホワイトの花柄の白絹地で、後ろのスナップで留めます。
草履は骨董市で購入した古いもので、鼻緒の紐が細くスタンドなしでは直立は難しいと思われます、おまけとしてお付けします。

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髪飾りは、ダイソーの既製品です。後ろのクリップで髪に留めます。
ショールはフェイクファーを切っただけのものです、おまけとしてお付けします。


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羽子板は押し絵の手作りで、タテ15cm×ヨコ7cmです。房飾り・花ことじ・扇などすべて木工ボンドで貼り付けてあります。
接着テープを使って手に持たせています。裏は梅竹模様です。


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次記事は、三女の振袖です。

令和の初春 長女(SD)の振袖

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令和の初春を祝う、SDサイズ「長女」の振袖です。三姉妹ともに令和にちなんだ「梅柄」の振袖で、こちらはお正月・成人式・結婚式への出席など慶事に幅広く着せていただけます。

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振袖着物地は正絹の緞子で、新品ではありませんが未使用の布地です。クリーム色の地に流水の紋で、朱赤の梅とところどころに薄い金彩が入り、光沢があります。
絹八掛の総裏付きで、袖部分のみ「うそつき袖」という絹長襦袢の袖を留め付けています。

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おはしょりを軽く糸で縫い留めています。

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衿に赤金襴の伊達衿と、金箔の佐賀錦帯地の半衿を留め付けています。
着物の袖を通し、半衿の下の白化繊テープを背中に回して前で結びます。(モデルは肌色のビスチェを着けています)

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作り帯は正絹の古帯地で、金糸の青海波、流水模様に赤と紺地に花模様です。結びは立て矢で、帯揚げは朱赤に金彩の絹地・帯締めは化繊紐でともに帯にセットしています。結びにさし込んだ梅の水引飾りは取り外すことができます。
帯は結びの下でマジックテープで留めます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。

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足袋はオフホワイトの花柄の白絹地で、後ろのスナップで留めます。
草履は骨董市で購入した古いもので、SDには多少小さめでスタンドなしでは直立は難しいと思われます、おまけとしてお付けします。

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髪飾りは、梅の水引に赤房を付けました。後ろのクリップで髪に留めます。
ショールはフェイクファーを切っただけのものです、おまけとしてお付けします。


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羽子板は押し絵の手作りで、タテ15cm×ヨコ8cmです。房飾り・花ことじ・扇・鼓などすべて木工ボンドで貼り付けてあります。
接着テープを使って手に持たせています。裏は梅模様です。


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次記事は、次女の振袖です。

R工房おーくしょん 出品144,145,146回目 令和の初春を祝う振袖セット 3姉妹

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「令和の初春を祝う振袖セット 3姉妹」

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人形・スタンドはつかず、1,000円からの出品・定型外送料無料で、終了日は12月15日(日)になります。
オークションページは こちら からご覧いただけます。

SD納涼浴衣「藍の力」と「京 桜 3」

SDサイズの納涼浴衣セット、「藍の力 (アイノチカラ)」「京 桜 (みやこざくら) 3」です。

<藍の力>

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ここ数年どっぷりと「絹中 (絹中毒、の意)」に浸るR工房でしたが、未使用で人用の良い木綿浴衣地を手に入れたので久々に木綿を縫いました。藍色の本染めで、絹にはないしっかりした質感でその力強さに圧倒され「藍の力(アイノチカラ)」と命名した次第です。

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浴衣地は、人用の浴衣生地で木綿本染めです。裏なしの単(ひとえ)です。
藍色は日本人の肌色にとても似合うそうです。

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帯地は西陣織の正絹の緞子です。黄緑とオレンジのリバーシブル様の作り帯で、光沢があります。
帯結びは「矢の字」で、結びの下でマジックテープで留めます。

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<京 桜 3>

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「京 桜 (みやこざくら) 3」の「3」とありますのは、おととしの夏に色違いの絹絽でMSDと幼SDの姉妹に「京 桜 姉&妹」を制作していたからです(この記事 参照)。三生地とも白地に桜づめ柄の京友禅の染めなので、「京桜」と名づけました。
木綿地の浴衣とは180度反対の、繊細で軽く柔らかな浴衣です。

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浴衣地は正絹の五泉の絽で、裏なしの単(ひとえ)です。白地に浅葱(あさぎ)色の桜づめ柄で、京友禅の染めです。
布地が透けるので、モデルは肌色のビスチェを着けています。

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帯地は西陣織の正絹の緞子です。黄色とオレンジのリバーシブル様の作り帯で、光沢があります。
帯結びは「リボン返し」で、結びの下でマジックテープで留めます。

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<小 物>

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カゴ巾着の布は金魚柄のガーゼです。中に物が入れられます。
金魚巾着の布は化繊の縮緬です。成形のため中に綿を入れています。中に物はあまり入りません。

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帯飾りは帯に挟み込みます。

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下駄はヒノキ材を赤色・オレンジ色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒は化繊の縮緬紐です。

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うちわは和紙・竹製で簡単な作りです。表は「祭」、裏は水色に金魚柄です。

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ガラスの風鈴は既製品を加工しています。音は鳴りません。

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和紙のかざぐるまは既製品を加工しています。風を当てると回ります。持ち手はプラスチックです。



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令和初制作 SD着物「 令 和 」

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 昭和生まれのR工房は平成・令和と2度目の改元、今回は人並みに「祝」の気分に浮かれました。しかも令和は「R」ときたら、R工房としましてはこれは記念制作でしょう、ということでその名も「 令 和 」と題しました。
 着物の柄はもちろん『梅』、万葉集 梅花の歌 三十二首にちなんでいます。着物の梅柄は季節に合わせれば1,2月ですが、令和元年のはじまりを祝した着物に仕上がったと思います。画像はクリックで大きくご覧いただけます。


《着物の着付け方》

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 長襦袢は正絹の未使用地で、裏なしの単(ひとえ)です。白から薄いピンクの色合いで、雲模様が浮かびます。
 長襦袢の衿に、正絹の金襴の半衿を付けています。


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 長襦袢紐(レーヨン)をウェストに巻いて結びます。


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 着物地は正絹の着物はぎれで、縮緬の膨れ織りに白・赤・金彩の梅花が浮かびます。薄紫・桃・緑・青・薄茶等さまざまな色合いのぼかしの地です。
 総裏付きで、八掛は赤紅色の絹、胴裏は道長柄の白絹です。


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 SDの寸法に合わせておはしょりを糸で縫いとめましたが、10cm以上余裕がありますので着丈の調節が可能です。


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 作り帯は西陣の金襴サンプル地で、素材は不明です。ピンク・薄緑の段染めに金糸の「祥花更紗」という文様です。
 ふくら雀系の太鼓結びで、帯揚げはピンク色の絹地・帯締めは化繊紐でともに帯にセットしています。
 帯は結びの下でマジックテープで留めます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。


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 足袋はオフホワイトの絹縮緬で、後ろのスナップで留めます。
 下駄はヒノキ材を薄紅色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒は化繊の梅柄の縮緬紐です。


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《小 物》

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 レースのショールは生成りの綿レース糸で編みました。白梅の蕾をイメージしたデザインです。
 ハンカチは既製の生成りのレースで、10cm×9cmです。


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 バッグは半衿と同布の正絹の金襴で、裏地付きです。持ち手はチェーン、中にレースのハンカチを入れました。
 小銭入れ用の口金を使用していますが、重量に耐えれないかもしれないので、小銭は入れないでください。


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 人形の縮尺には合わないですが、梅の造花です。木の立て札はおまけです。



着付けの完成です

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十三参り たずね歩き

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 十三参り(じゅうさんまいり)は旧暦の3月13日前後 (新暦の3月13日から5月13日)に、男女とも数え年13歳で行なう祝いだそうです。七五三ほど一般的ではありませんが、関西では京都嵐山の法輪寺・奈良の弘仁寺・大阪の太平寺への虚空蔵菩薩参りが有名です。


京都嵐山 法輪寺

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 京都嵐山の渡月橋の南の「嵯峨の虚空蔵さん」と親しまれる法輪寺です。門をくぐり続く長い階段や見晴台はTVでもよく見かけます。


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十三参りは、秋にも行われます。


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R工房は、人形塚にお参りしてきました。


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 お参りが済んだ後の帰路、渡月橋を渡るまで、後ろを振り返ると知恵が本堂に帰ってしまうという言い伝えがあるそうです。


奈良 弘仁寺

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 奈良市南部の虚空蔵山深くの弘仁寺は、「高樋の虚空蔵さん」と呼ばれます。

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 4月13日に「春のお会式」が行われますが、ご祈祷は年間を通して受け付けていただけるそうです。


大阪 太平寺

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 大阪市、谷町筋に面する「十三まいりのお寺」太平寺です。新暦と旧暦でご祈祷が行われます。

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R工房は、2月8日の針供養に伺いました。


オビツ11の、「チビいちまさんの縮緬着物 橙と青」

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 ちっちゃくて可愛いオビツ11の人形は、着物もよく似合います。左が「チビアリス」、右が「チビカグヤ」です。
 着物ですと下部が重いせいかわりと安定して直立し、写真は下駄も履いています。



チビいちまさん

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 着物地は正絹の浜縮緬で、橙色の地に江戸小紋の宝づくしの細かい柄です。
 総裏付きで、白の肩裏地と・鮮やかな朱赤の八掛をつけています。裾に綿を入れています。



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 肩上げ・腰上げで童女の寸法に合わせました。
 衿に、白地に橙色の絞りの半衿を付けています。
 着物を着付ける時に、まず半衿を首元であわせ着物を巻き付けるように重ねます。



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 作り帯は黒地の西陣帯地で白と金糸の桜柄が結びの部分にあります。結びは文庫です。
 帯は結びの下でマジックテープで留めます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。
 半衿と同じ絞り地の帯揚げと化繊の帯締め紐をセットしています。



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 足袋はオフホワイトの縮緬です。
 下駄はヒノキ材を黒色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒はモールです。
 髪かざりは赤い古絹紐です。後ろのバレッタでお好みの場所に留めます。


着付けの完成です

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チビいちまさん

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 着物地は正絹の縮緬で、青色の地に江戸小紋の極鮫の細かい梅と流水柄です。
 総裏付きで、白の肩裏地と・鮮やかな朱赤の八掛をつけています。裾に綿を入れています。



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 肩上げ・腰上げで童女の寸法に合わせました。
 衿に、白地に橙色の絞りの半衿を付けています。
 着物を着付ける時に、まず半衿を首元であわせ着物を巻き付けるように重ねます。



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 作り帯はエンジ地の西陣帯地で白と金糸の桜柄が結びの部分にあります。結びは文庫です。
 帯は結びの下でマジックテープで留めます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。
 半衿と同じ絞り地の帯揚げと化繊の帯締め紐をセットしています。



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 足袋はオフホワイトの縮緬です。
 下駄はヒノキ材を赤色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒はモールです。
 髪かざりは赤地に絞り柄の古絹紐です。後ろのバレッタでお好みの場所に留めます。


着付けの完成です

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さあ、ひな祭りの支度をしましょう

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気をつけてねー




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おめかししなくちゃ




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お茶の支度もね




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着物を2枚ご落札いただけますと、帯の交換もして楽しめます。





幼SD童女着物「あこがれ総絞り振袖 妹」

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 今回の幼SD着物は、童女着物の王道をいく(?)赤地の着物です。前回の紫地に比べますと幼さがより増して可愛らしい印象になりました。



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 長襦袢は正絹の縮緬で、裏なしの単(ひとえ)です。白からサーモンピンクの色合いで、小さな花模様が浮かびます。
長襦袢の衿に、古い着物はぎれの花柄の半衿を付けています。



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 長襦袢紐をウェストに巻いて結びます。



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 着物地は正絹の着物はぎれで、流水に万寿菊が総絞りで浮かび上がります。赤味の強い赤茶色の地に橙や黄色のぼかしが入り、絞り目のしっかりした紋綸子です。
 総裏付きで、裏地はオフホワイトから桃色のぼかしです。裾に綿を入れています。
 濃赤の縮緬地の伊達衿を衿に留め付けています。



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 肩上げ・腰上げで童女の寸法に合わせました。



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 作り帯は正絹の古い慶事用の丸帯地で、経年のため生成り色がシャンパンゴールド色に輝きます。花の織り柄で、結びは文庫です。
 帯揚げは濃赤色の紋綸子・帯締めは古人絹紐でともに帯にセットしています。



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 帯は結びの下でマジックテープで留めて帯揚げと帯締めを前で結びます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。



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 足袋はオフホワイトの緞子地で雲地模様、後ろのスナップで留めます。
 下駄はヒノキ材を赤紫色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒はポリエステルの縮緬紐です。
 髪かざりは帯締めの古人絹紐と同じです。端に金鈴を付けました。後ろのバレッタでお好みの場所に留めます。



着付けの完成です

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今日はおめかししちゃいました




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お姉様、一緒に遊びましょう



MSD着物「あこがれ総絞り振袖 姉」

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 十三参りは、数え年で13歳になった子どもが、健やかに成長したことを感謝し、知恵と福徳を授かるために「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」にお参りする行事です。肩上げをした着物でお参りをし、お参りの後に肩上げを外すのだとか、大人の仲間入り・・という由来もあるそうです。



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 長襦袢は正絹の縮緬で、裏なしの単(ひとえ)です。白からサーモンピンクの色合いで、小さな花模様が浮かびます。
 長襦袢の衿に、生成りに薄金色の唐草模様の西陣帯地の半衿を付けています。



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 長襦袢紐をウェストに巻いて結びます。



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 着物地は正絹の着物はぎれで、大小の花が総絞りで浮かび上がります。紫・紅・赤・桃・橙・黄・緑・青等さまざまな色合いのぼかしが見事で、柔らかな手触りの紋綸子です。
 総裏付きで、裏地は真朱(まそう)色の八掛地です。胴裏は白絹です。
 濃赤の縮緬地の伊達衿を衿に留め付けています。



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 おはしょりを軽く糸で縫い留めました。印象派の絵画の淡い色彩を連想させるような着物地です。



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 作り帯は正絹の古い慶事用の丸帯地で、生成り地に花の織り柄です。結びは立て矢のアレンジです。
 帯揚げは濃ピンク色の絹裏地・帯締めは化繊紐でともに帯にセットしています。
 帯は結びの下でマジックテープで留めます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。



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 足袋はオフホワイトの絹縮緬で、微かに銀糸が光ります。後ろのスナップで留めます。
 下駄はヒノキ材を薄紅色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒は化繊の縮緬紐です。
 髪かざりは化繊の縮緬紐です。後ろのバレッタでお好みの場所に留めます。



着付けの完成です

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お茶をどうぞ・・



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あなたにはちょっと苦いかしら・・




ひな祭り人形着物 あこがれ総絞り vs 江戸小紋の縮緬

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 立春を過ぎひな祭りももうすぐ、人形たちにもひな祭りを楽しんでもらおうと着物を作りました。大きな人形たちには総絞り、小さな人形たちには縮緬の絹地を選びました。


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 総絞りの振袖は、女子のあこがれではないでしょうか。ちょうど春色のイメージのぼかしのよい紋綸子を二枚見つけました。どちらも花柄が絞りで浮かび上がり、ひな祭りにふさわしい振袖にしたいと思いました。


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 左のMSD人形は十三参りを済ませた少女、右の幼SD人形は肩上げ腰上げをした童女で2人は姉妹です。どちらの絞り地も着物をほどいたものですが、それほど古くはないにもかかわらずちょっとレトロっぽく仕上がりました。


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 小さい人形たちには、絞りの柄は大きすぎて使えません。柄の細かい江戸小紋の絹縮緬(ちりめん)を選びました。縮緬は小さなお細工物に使われます。オビツ11サイズの着物を縫っていると自分もお細工物に携わっているようなしあわせな気持ちになります。


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 こちらも肩上げ腰上げの童女着物で、振袖のような華やかさはないですが、ひな祭りのためにお母さんが着せてくれて2人はお姫様になったように有頂天です。


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 今回の4人のもうひとつの楽しみ方、それは「人形たちの人形遊び」です。オビツ11の人形が大きい人形の市松人形になります。着物姿の市松人形は現代ではひな人形とともに飾られますが、元は着せ替えのできる人形で、関西では「いちまさん」と呼ばれ親しまれました。女児の遊び道具としても・裁縫の練習台としても使われたそうです。ここでは姉が妹に着物の縫い方を教えようとしています。



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「あこがれ総絞り vs 江戸小紋の縮緬」 ひな祭りにはどちらの着物地をお好みでしょうか、着物の詳細は次記事に続きます。
 写真はクリックで大きくご覧いただけます。


R工房おーくしょん 出品137,138,139,140回目 ひな祭りを楽しむ人形着物

MSD & 幼SD
「あこがれ総絞り振袖 姉と妹」

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オビツ11
「チビいちまさんの縮緬着物

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↑チビいちまさんを2品ご落札いただけますと、上の花車をプレゼント。




 人形はつかず、1,000円からの出品・送料無料で、終了日は2月24日(日)になります。
 オークションページは こちら からご覧いただけます。



幼SD着物セット 「古絹を楽しむ童女着物」

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 幼SDで古絹の着物といえば、今年の2月に市松人形風着物セット「いちまさん」(上左画像)を作っておりましたが、今回は「いちまさん」ではなく「古絹を楽しむ童女着物」と銘打っております。装備品が違ったり・裏地の付け方がより現代の着物風というのもありますが、R工房的になんとなく「いちまさん」は元来の市松人形と同じ黒髪で、というイメージがありました。幼SD人形を日本人形に見立てて、「いちまさん」遊びをするというコンセプトです。
 この古い、シックな紫地の錦紗縮緬を手に入れた時、今度は幼SDの『明るい髪の色に似合う着物』を作ろう! と決めました。幼SDはもちろんウィッグを替えることができるけれど、R工房はこのモデルさんには元々の「幼天使 美加」のプラチナブロンドの髪色がいちばん好きで、この髪色によく似合う着物に仕立てたい、と思ったのです。
 着物の裏地が新品の絹・長襦袢の紐はアクリル・下駄の鼻緒はポリエステルで、それ以外はすべて古い正絹地です。とくに着物地と帯地は古いものです。同じ古絹でもそれぞれの手触り・風合いをお楽しみいただけましたら幸いです。


《着物の着付け方》

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 長襦袢は正絹の紅色の絞りの着物はぎれで、裏なしの単(ひとえ)です。長襦袢の衿に銀色の地の正絹金襴の半衿を付けています。


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 足袋をはかせて、長襦袢はテープ(アクリル)をウェストに巻いて結びます。


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 着物地は古い正絹の錦紗縮緬の着物はぎれで、濃い紫色の地に花柄です。総裏付きで、裏地は新品の正絹でオフホワイトから桃色のぼかしです。裾に綿を入れています。


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 肩上げ・腰上げで童女の寸法に合わせました。


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 作り帯は正絹の古い帯地で、オレンジ色の地に緑や金茶の花柄です。結びはふくら雀です。
 帯揚げはローズ色の正絹紋綸子・帯締めは古絹紐でともに帯にセットしています。
 帯は結びの下でマジックテープで留めて帯揚げと帯締めを前で結びます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。


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 足袋はオフホワイトの絹縮緬で、後ろのスナップで留めます。
 下駄はヒノキ材を黒色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒はポリエステルの縮緬紐です。
 下駄を履かせての直立は、バランスにお気をつけ下さい。


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 髪かざりは帯締めの古絹紐と同じです。後ろのバレッタでお好みの場所に留めます。
 破魔矢と絵馬は紙・木製です。


着付けの完成です

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《おまけ》

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 京都の御所西にある護王神社は足・腰に御利益のある神社で、狛犬ではなく狛猪が神社を護っています。その護王神社のお守り「まゆ玉いのしし」をお付けします。今年の12月7日に授与いただいたものです。


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よい年をお迎えください!!

MSD着物「藤 娘」

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 ボークスMSDサイズの人形に藤娘着物を着付けていきます。写真はクリックで大きくご覧いただけます。
 文中に出てきます『和色』は、和色大辞典に依るものです。

 振袖の地色・・赤丹色(あかにいろ こちらです)
 振袖の八掛・・真朱色(まそおいろ こちらです)



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 長襦袢は正絹の縮緬で、鮮やかな紅色で小さな紗綾形に花の地模様が織り込まれています。裏なしの単(ひとえ)で、おくみ部分のみ二重になっています。
 長襦袢の衿に赤地に金ラメの化繊の半衿を留め付けています。


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 着付けの最初に足袋を履かせます。長襦袢は化繊の赤紐をウェストに巻いて結びます。


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 着物地は藤の花と他の花々を散りばめた正絹です。地の色は「赤丹色(あかにいろ)」といわれる和色に近い色です。ところどころに金糸が光ります。
 着物は総裏付きで、白地に藤柄の肩裏地と・オレンジ色(まそお色)の上質な八掛をつけています。裾に綿を入れています。
 黒衿は西陣織の緞子帯地で、江戸時代もこの布が使われました。衿に金糸の正絹帯地の伊達衿を留め付けています。
 白地にオレンジ色の疋田柄で比翼(袖の振り・裾)を付けています。


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 帯地は踊り用の帯をほどきました。黒地の化繊地で、金色の「独鈷藤模様」です。
 帯結びは振り分けで、結びの下でマジックテープで留めて帯締めを前で結びます。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。


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 帯は胴に二重巻きします。少しずらしますと、重なり感が出て厚みが出ます。
 帯締めは朱赤色の古絹紐で作り帯にセットしています。片結びを二回しています。


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 着物を着せて、長襦袢の袖を通します。裾が自然に左右に開きます。



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 足袋はオフホワイトの正絹で、後ろのスナップで留めます。
 草履はヒノキ材と紙製で、鼻緒は朱赤色の古絹紐です。


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 笠は日本人形用の既製品で、直径12.5cmです。新しい物ではありませんが未使用です。赤房紐をあごの下で結びます。


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 藤かんざしは新品の既製品です。笠と髪の間に差し入れていますが、笠を被らないときはピンなどで髪に留めます。


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 左は赤房紐を耳の前に、右は赤房紐を耳に掛けています。


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 藤の枝は日本人形用の既製品で、新しい物ではありませんが未使用です。紙製です。
 大阪府藤井寺市の葛井寺(ふじいでら:西国三十三所第五番)の今年の藤まつりの絵馬(前記事 参照)をお付けします。
 木の立て札はおまけです。



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MSD『藤 娘』の完成です!




久々の、藤娘

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「藤娘」は大好きな制作テーマではありますが、人形にちょうど良い藤柄の正絹をなかなか見つけられないため制作数は少ないままです。今回は良い藤柄を見つけていたところに、MSDサイズの人形が加わりましたため五人目の登場となりました。


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一人目、「ジェニー藤娘」です(こちらの記事 参照)



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二人目、「幼SD藤娘」です(こちらの記事 参照)


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三人目、「リカちゃん藤娘」です(こちらの記事 参照)


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四人目、「オビツ11のチビ藤娘」です(こちらの記事 参照)





 今年は、大阪府藤井寺市の葛井寺(ふじいでら:西国三十三所 第五番)の藤まつりに行ってきました。

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 藤花の開花状況は残念ながらちょっとだけ見頃が早かったようでしたが、香りのよい藤花もあり楽しめました。またこの葛井寺藤まつりでは、藤の育成に寄付をいたしますと、可愛い藤の絵馬をいただけます。今回の出品ではその絵馬をお付けしています。

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過去の「藤娘」関連の記事として、

「藤娘」 の舞台衣装

 藤娘探訪 ~館(やかた)訪問 10号館 大津絵美術館~

 藤花探訪 ~奈良春日大社 萬葉植物園~

 今年(2015年)の藤娘たち

もあります、どうぞ併せてご覧ください。


MSD「レトロ着物で春のお出かけ ~大島着物と紗の羽織~」

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 人形の着物を作るのに着物をほどいた古絹を使うことが多くなり、大正から昭和のはじめに竹久夢二や高畠華宵が多く描いた少女たちの来ていたアンティーク着物に強く惹かれていました。長い袖丈と、華やかな半衿が印象的です。
 未使用の素敵な大島紬を見つけたので、前から反物で持っていた紗と組み合わせてレトロな着物セットを制作してみました。春色を羽織ってお出かけをお楽しみください。

 着物・羽織・帯・着物裏地・半衿・巾着・帯揚げの布は、アンティーク正絹地ですが未使用のもので着物をほどいた布ではありません。伊達衿・帯締め・足袋は着物をほどいた古絹です。
 画像はクリックで大きくご覧いただけます。



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 着物地は正絹の大島紬です。紬の美しい光沢があります。着物は総裏付きで、オフホワイトから桃色のぼかしです。おはしょりを軽く糸で縫い留めています。


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 衿に赤紫色の伊達衿と、桃色地に小花模様の縮緬の半衿を留め付けています。
 着物の袖を通し、半衿の下の白化繊テープを背中に回して前で結びます。


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 帯地は薄い銀地に花模様の正絹金襴です。ふくら雀系の太鼓結びで、結びの下でマジックテープで留めて帯締めを前で結びます。上写真のように片結びを二回して、先端を脇にくぐらせています。
 帯締めは花柄の古絹紐・帯揚げは赤紫の絞りで作り帯にセットしています。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。


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足袋・下駄を先に履かせて、着物を着せました。




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画像 羽織は正絹の紗で、少し黄みがかった桜色の地に濃い桃色のぼかしと草花の模様です。裏なしの単(ひとえ)でマチ付きです。厚地の紗なので透け透けではありませんが、ところどころにある花びらが下の着物地の色を少し通します。
 羽織紐は段染めの組紐で、先端のローズクォーツのビーズを輪に通します。衿の後ろ側を軽く糸で留め付けています。


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袖丈・着丈の長い昔の羽織です。




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 カゴ巾着の布は半衿と同じ布です。中に物が入れられます。


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 髪かざりはポリエステルの赤紫地に桜柄の縮緬紐です。後ろのバレッタでお好みの場所に留めます。花は紙製の造花です。


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 足袋は紅色の鮫小紋で、後ろのスナップで留めます。
 下駄はヒノキ材を群青色に着色し、水性ニスで仕上げました。鼻緒は髪かざりと同じ縮緬紐です。



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さぁ、お出かけしましょう!

オビツ11の、春を迎える「チビいちまさん」

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 前回制作しました幼SDサイズの市松人形風着物の着物地で、オビツ11サイズの小さい「いちまさん」を作ってみました。古い絹の紋錦紗がとても気に入っていて手元にも残したかったのです。


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 肩上げ・腰上げをする前の着物です。ミニ衣桁に飾っても可愛い大きさです。


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 帯は絹の金襴です。着物のサイズがちょっと大きめになってしまいました。


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春のお客様をおもてなしします。



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「チビいちまさん」 さあ、何して遊びましょうか?


ボークスの幼SD人形で、市松人形ごっこを楽しむ

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《R工房の市松着物》

 市松人形といえば、女児の誕生時やひな人形とともに飾られる着物姿の日本人形くらいの知識しかなく、自分が所持していなかったこともありあまり興味を持てませんでした。ところが最近、市松人形は江戸時代の古くより「着せ替え人形」であったことを知りました。裸の状態で販売され、各々の家で母親や祖母がその人形に小さな着物を作り女の子に遊ばせる・・それならリカちゃんやぽぽちゃんと同じではありませんか! 現代の人形・ボークスの幼SDを市松人形として楽しめる着物を制作することにしました。

 本式の市松着物制作は和裁の決まり事がありそうですが、元々いろいろな家庭で作られた着物、地域や時代で違いもあることでしょうと簡略化した箇所もあります。たとえば作り帯をマジックテープ仕様にしたり、足袋にスナップを付けたりなどです。ということからヤフオク! 出品タイトルは『市松人形着物セット』にしましたが、R工房が「市松着物」でとても可愛いと思う、

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 ・古布を選び、できるだけ新布は使わない
 ・大振袖に、童女の肩上げと腰上げ
 ・幅広の帯に絞りの帯揚げ
 ・綿を入れてぷっくらとした袖口と裾回り
 ・古風な筥迫と銀びらかんざし

・・等々は再現したいと思いました。今回は長襦袢のテープ以外はすべて古い正絹です。
 
 関西では「いちまさん」とも呼ばれ親しまれたという市松人形、お手元の人形に古風な着物を着せて、おひな様とはまた違った桃の節句をお楽しみください。
 画像はクリックで大きくご覧いただけます。


《着物の着付け方》

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 長襦袢は正絹の絞りの着物はぎれで、鮮やかな朱赤と黄色のグラデーションが美しい柔らかな布です。裏なしの単(ひとえ)ですが、おくみ部分を二重に、裾に少し綿を入れています。
 長襦袢の衿に赤色の紗綾柄の正絹緞子の半衿を付けています。


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 足袋を履かせ、長襦袢はテープ(素材不明)をウェストに巻いて結びます。


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 着物地は正絹の紋錦紗の古い着物はぎれで、紗綾型地紋柄のきれいな青に濃いローズピンクの雲どり、椿や橘などが描かれています。大振袖に長い裾で、肩上げ・腰上げで童女の寸法に合わせました。
 総裏付きで、白い麻柄の肩裏地と・鮮やかな朱赤の八掛をつけています。共に柔らかな正絹です。
 袖口と裾回りに綿を入れています。


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画像作り帯は正絹の古い名古屋帯地(←)で、薄いクリーム色にオレンジや金糸の鮮やかな花の織り柄です。
 帯揚げは薄紅色の絞り・帯締めは古絹紐でともに帯にセットしています。


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 帯は結びの下でマジックテープで留めて、帯揚げは胸前で帯に差し入れ・帯締めは固結びを2回しています。マジックテープの凸側に布がひっかからぬようご注意ください。
 抱え帯は肌色の絹繻子の裏地で、作り帯の下部に巻き左後ろで蝶結びします。


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 足袋はオフホワイトの絹縮緬で、後ろのスナップで留めます。


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 筥迫(はこせこ)は胸元に差し入れます。筥迫は正絹の帯地で作りました。びらかんざしは、鞘から外せません。


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 扇子は新品の既製品に房を付けました。金色銀色の両面です。帯に差し入れます。



さあ、いちまさんで遊びましょう

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